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学会賞  

平成20年度


学会賞

論文賞 李 銀姫、婁 小波
「海域使用管理法下の中国沿岸域管理の特徴と課題−山東省青島市を事例として−」(沿岸域学会誌Vol.20 4掲載)
 本論文は、2002年施行された「海域使用管理法」に基づく中国沿岸域管理の実態と課題を、青島市のケーススタディーを通じて明らかにした。中国の沿岸 域管理が、効率化のために国有を前提とした海域使用権の創設・有料化、海域使用権取得におけるセリ・入札方式の導入に見られるように、市場メカニズムを中 心に行われ、同時に多くの課題を抱えていることを究明している。これまで情報が少なかった日本以外のアジア諸国を対象とし、実証的アプローチから適切な課 題提起を行っている。さらに、市場メカニズムではなく、「共同体的」管理に重点を置く日本の沿岸域管理にとって示唆的事例を提供するとともに、沿岸域管理 に対して貴重な知見を与えている論文と評価した。
論文奨励賞 該当なし
出版・文化賞 出版物:「閉鎖性海域の環境再生」日本水産学会(監修)
編 者:山本民次、古谷 研
 本書は、日本水産学会水産環境保全委員会が平成19-20年度に企画した3回のシンポジウム(干潟,浮泥,閉鎖性海域)のうち、最も注目度の高かったも のを出版企画したものである。人間活動の影響が最も強く及ぶ閉鎖性海域の環境問題は、沿岸域の総合的管理の中で解決すべき重要な課題である。本書は、大都 市を背後にひかえた東京湾・大阪湾だけでなく、近年、ノリの色落ちや貝類の漁獲量激減等で問題となっている有明海・宍道湖・英虞湾などを取り上げ、それら の海洋学的な特徴、社会的背景などについて述べるとともに、環境劣化の問題点を浮き彫りにし、対策のあり方についての提言などをまとめており、沿岸域の総 合的管理の促進にあたり有用なものと評価した。
出版・文化賞 出版物:「海と海洋建築 −21世紀はどこに住むのか−」
編著者:前田久明、近藤健雄、増田光一
 アール・ゴア氏が地球環境問題について警鐘した書物を出版し、ノーベル平和賞を受賞して注目されたが、海洋の空間・資源の開発と利用方法は、人類生存の ために必要な全地球的規模の研究テーマの一つであり、そのための人間活動の空間を創造することが海洋建築と位置付けられる。本書は、このような海洋建築に 関して、学生から他分野の技術者まで幅広い読者を念頭におき、海洋建築を学ぶ学生諸氏には、海を知ることからはじまり、海洋建築全般を学ぶ教科書として活 用できるものである。海洋空間の環境的多様性と社会的可能性、そして海洋建築の創造技術についてわかり易く解説し、海洋・沿岸域の健全かつ多面的な利用に あたり幅広く活用される有用なものと評価した。


研究討論会優秀講演賞


「海水浴場における迷子防止方策および早期解決策の構築に関する研究」
(日本大学 ○宮崎渉、近藤健雄、山本和清、古賀隆弘)

「葛西臨海公園利用者の夏季紫外線被曝特性」
(日本大学 ○末田優子、大西弘恵、風間理沙、川西利昌)

「東京湾における付着性2枚貝の積層構造の観測と数値シミュレーション」
(東京大学 ○北澤大輔、国土交通省 藤本周平)

「ポケットビーチにおける人工リーフ建設に伴う海浜変形-福岡県鐘崎海岸の例-」
((有)アイコムネット ○小澤宏樹、(財)土木研究センター 宇多高明、
国際航業(株) 星上幸良、内木場俊)

「臨海部における景観調査手法の提案及び景観評価要因の抽出」
(日本大学 ○盛谷陽仁、遠藤広樹、登川幸生)


   

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